マイリバー Vol.1(日野川/澤井健二)

 

「マイリバー」、これは、3年前、川に学ぶシンポジウムの準備会で、土谷さんが提唱された言葉でしたね。私にとってマイリバーとはどこでしょうか。生まれた家の近くを流れる京都市北区の賀茂川でしょうか。それとも今住んでいる京都市伏見区の日野川でしょうか。それとも勤務先のある寝屋川市内の寝屋川でしょうか。それとも、淀川でしょうか。あるいは、仕事の上でかかわりの多い大和川でしょうか。いずれもかなり思い入れのある川です。しかし、なんと言ってもやはり今住んでいる家のそばを流れる日野川、これは特に大切にしたいと思っています。川幅がほんの数メートル、普段の水量はあるかなしかの川ですが、私にとってはかけがえのない、地元の川なのです。

 この日野川に親水ワンドをこしらえたいという私達の願いがとうとうかなえられて、今、京都市の手によって工事が進められています。一昨年、河川塾の皆様に作っていただいたビオトープ池は残念ながら壊れてしまいましたが、川底にこしらえていただいた砂州は健在で、今年は、ホタルが舞うようになりました。近くの田んぼの畦沿いにも、幅20cmの水路を掘ったところ、いい感じの水が流れるようになったのですが、漏水が激しくて、コンクリート側溝に置き換えることになりました。しかし、私のこだわりで、そのコンクリート側溝の中に土を入れ、土の水路を復元しています。

 隣接する保育園の屋根の水はまだ垂れ流しになっていますが、グランドの排水の一部は、地下に埋めたコンクリート水槽に貯め、好きなときにワンドへ流せるようにしました。

「川人」というには、あまりにもスケールが小さく、みじめな気持ちになることもあり ますが、この積み重ねが大河の源だと思って、自らを励ましています。しかし高くつきますね。

 

(澤井河川塾通信Vol.032掲載H15.06)

 

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