マイリバー Vol.9(「第二寝屋川・平野川」/南 隆雄)

 

  私の生まれ育った城東区は、名前のとおり大阪城の東に位置し、かつては旧大和川流域の低湿地帯で、東西に寝屋川、第二寝屋川、南北に城北川(城北運河)、平野川、平野川分水路(城東運河)と多くの川が流れています。 

 子供のころ、家から最も近い第二寝屋川は、メタンガスが湧いて雨でもないのに川面に波紋ができていました。また、直立護岸で水面が地表より高いため、橋の上からしか川が見えないこともあって川で遊ぶことはありませんでした。しかし、ハイキングやキャンプに行くようになっていろいろな川に触れ、この川も何とかならんかと思っていたことが、環境を学んで職業にした原点なのかもしれません。 

 ただ、いいこともありました。橋の上から天神さんの花火が見えるので、暑い大阪の夏の夕涼みになりました。ここ最近では、水質も改善されつつあり、水面に浮かぶ水鳥に欄干からエサをあげる人、釣りを楽しむ人など、川とつきあう人々が見られます。 

 現在は城東区の南隣の東成区に住んでいますが、すぐ横を平野川が流れています。平野川は第二寝屋川と同じように直立護岸で水もきれいとはいえませんが、この3月に、東成区役所が水都ルネッサンス大阪にあわせて企画したイベント"船からの平野川ウォッチング"に、川を間近に、また、川から街を見たかったこともあり参加してきました。 

 当日配付資料には「実際に肌で感じてもらい、今後住民が川とどう関わっていけばいいのか考えてもらおうと企画しました。」とあり、気楽に参加していていいのかなと思いつつ、コース終盤で『もう一回行かなあかんのや。参加する人がおんのやな。』とつぶやいた作業船の方に同感しながら、2班各2隻分の参加者自体が大きな成果ではないかと思いました。 

 学生の時に、講義で出たレポートに「第二寝屋川も蓋をすれば下水道」と書いたことがあり、その時は半分正直な気持ちでした。それが原因でその単位を落としたと思っていますが、もっとよく考えろということなのでしょう。 

 これまで川のイベントにかかわってきましたが、今回住民として参加したことで、「住民としてどう川に関わっていくか」というテーマを再認識させてもらった気がしました。

 

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